イギリス人がイギリス人を書いた話だし不倫小説だし、
語り手が過去を回想して書いてるしで、
ははーん信用できない語り手が語る、
皮肉に満ちた感じの小説だな、と思っていた。
違った。
むしろ真面目なカトリック小説だった。
イギリスってイギリス国教会があるし女王がいるし日本に似てるよね、
だから宗教的な苦悩って薄いのかなという気持ちが強いけど
カトリック対国教会ってイギリス史で何度もあって流血沙汰になってるもんね。
神に飲み込まれまいと抗う主人公の戦いは共感する部分があった。
映画はけっこう大きな改変がされているらしいと、訳者あとがきにあった。
やはり映画も観なきゃか。