トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』読了
8月9日といえば、日本で真っ先に思い出すのは長崎の原爆忌だと思うが、実はムーミンの日でもある。作者のトーベ・ヤンソンの誕生日だから。
…ということを偶然知ったので、家に長く積まれていた『たのしいムーミン一家』を読んでみた。
かすかに物語の序盤が記憶にあるのは、この小説を昔読んだのか、それともアニメで同じエピソードをやっていたのか?特にムーミンに深い思い入れはなかったけれど、物語は素晴らしかった。
ムーミン一家の、他者に対する受容度がハンパない。特にムーミンママはおもてなしの名人。性格に難があるようなキャラクターでもちっとも気にせずニコニコ接する。ムーミントロールもスナフキンもスノークのおじょうさんもムーミンパパも、のんびりしていてセコセコしたところがない。みんな特に善人でもいい子でもなくて自分勝手だったりイタズラもよくするけど、でもお互いに寛容なんだよな。生きることを楽しむことをよく知っていて。
読み終えると元気になる本だった。挿絵も素晴らしいし夢があるし、こどもが大きくなったら読ませたい、そんな本だった。