ホンとのところ

日々のあれこれ、本の話題など

駄作と本物

 私はほぼ日ウォッチャーである。

ほぼ日とは「ほぼ日刊イトイ新聞」のことである。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 目次

 

手帳もカレンダーもその他様々な商品を毎年買い、

ほぼ日の企画するイベントにも参加する、

お金を落とすいい読者であると自負している。

ほぼ日を通して、糸井さんのインタビュー能力、

思考し言葉にする能力に驚き、人柄も含めてファンになった。

 

このたび、糸井さん一押しの本が

天狼院書店の第5回秘本というのになったことを

糸井さん自身がつぶやかれていた。

で、天狼院書店の店主さんの記事。

tenro-in.com

すぐに予約しようと思った。

糸井さんのおすすめだし、

世の中に埋もれているけどいい本ってたくさんあると思うし、

そういうのを発掘していく機運が高まればいいなぁとも思うし。

でも、ちょっと、引っかかったのだ。

しばらくペンディングして改めて記事を読んだ。

 

もやもやの原因がわかった。

「駄作」ってなんですか。

糸井さんが心の底から「これは良い本だ。みんなに広めたい」と思った本だけど、

天狼院書店の基準に合わなかったら「駄作」なんですか。

もちろん、おおげさに書いているんだろうと思う。

「駄作ならよかったのに」は(天狼院基準で)駄作じゃなかったからこそ言える言葉だもの。

これくらい強い言葉でインパクトのある記事を書かないと

人の心を動かして行動に移させるのは難しい、と判断したのもわかる。

でも、書店の主が軽々しく「駄作」という言葉を使ってほしくないと私は思う。

しかも駄作かどうかを決める力が自分たちにはある、と自負している。

それと、糸井さんがリツイートしていた、「秘本」ファンの人のつぶやき、

その方は「過去4回の秘本は本物ばかり」だとほめていた。

 

・・・あのねえ、

「本物」ってなんだよ!

じゃあ「偽物」があるのかよ!

お前何様だよ!

 

一気に悪感情が高まってしまい

それでまあ、今回予約は見送った。

売れてほしいし、重版されてほしいし、私も手に取りたい。

でも、天狼院書店から私は買わなくていいやと思った。

たくさん協力してくれる人は出てくるだろう。

1000冊くらい売れるだろう。

 

でも「この本は本物ですね、あれは駄作ですね」

と疑問なく口に出せる人たちのあいだに入っていきたくない。

いい試みだし、きっといい本だし、

私みたいにこだわりが強くない人には買ってほしいと思います。

で、巡り巡っていつか私も読みたいなぁと、思います。