ホンとのところ

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小野不由美『丕緒の鳥 十二国記』読了

ひーっさしぶりの十二国記

と思ったら12年ぶりの新作ですって。

12年・・・。長い・・・。

しかし、小野さんが十二国記を書いてくれただけでありがたいです、本当に。

 

短編が4つ。どこの王様も登場しない、市井の人たちが主人公の外伝っぽい物語。

丕緒の鳥」「落照の獄」「青条の蘭」「風信」の4編。

どこの王様も登場しないと書いたけど、正しくは政が乱れたり王位が空いたり、国が定まらない時代をつづっています。その時代に、頑張る人々の物語。

丕緒の鳥」はあそこの国のあの王がまだ登位してない頃のお話。

「落照の獄」はあそこの国で噂だけ聴く王がどうやら治国に倦んじゃった頃のお話。

「青条の蘭」あそこの国のあの王がまだ登位してない頃のお話。

「風信」はあそこの国のあの王がまだ登位してない頃のお話。

ははは、ほとんど同じになっちゃった。

たぶん今の時代の雰囲気が、小野さんにこういうものを書かせたんだと思う。

その中で決して失われない希望、という点でファンタジーだと言ったら厳しいかもしれないけれど、込められている祈りは切実である、と思う。

 

近々長編が出る、ようなあおりもあるので楽しみにして待ちます。